2010年03月29日

懐かしの?黄金分割

突然ですが、「黄金分割」をご存じですか?
総計の皆さん、日程分割の手法である「黄金分割法」のことではないですよ。

ちなみに「黄金分割法」の由来は、
穴を埋めてから日程分割 → AU(Ana wo Umete kara)分割 → (元素記号Auがであることから)黄金分割
懐かしいですね。

それでは、下の図を見てください。
懐かしの?黄金分割

図のように辺AB上に点Cがあり、
(AC + CB):AC=AC:CB (つまり AB:AC=AC:CB)
が成り立つとき、「点Cは辺ABを黄金分割している」と言います。

このときの比AC:CB黄金比と呼ばれ、最も美しい比であると言われています。

さて、Wikipediaの黄金比のページには、
幾何学的には黄金比は正五角形の中にみることができる。正五角形に対角線を引くと、その線分は互いに黄金比に分割する関係を取る。
とあります。


要するに、下図のような正五角形があったとすると、AB:AC=AC:CBが成立しているということです。
懐かしの?黄金分割

ホンマかいな?ということで、これを証明してみたいと思います。
(興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください)

※予想より、はるかに長くなってしまった・・・覚悟して読んでね
まずは、この図形の角度やらなんやらを求めていきます。

元となっている図形は正五角形なので、
∠ADB=∠DBE=108°
と言えます。

また、三角形ABDと三角形BDEはそれぞれAD=BDBD=BEである二等辺三角形なので、
∠ABD=∠BAD、∠BDE=∠BED
となります。

「三角形の内角の和は180°」であることから、
∠ABD=∠BAD=(180°-∠ADB)/2=(180°-108°)/2=36°

同様に、
∠BDE=∠BED=(180°-∠DBE)/2=(180°-108°)/2=36°
です。

次に、三角形BCDに注目します。

先ほど求めた角度から
∠CBD(=∠ABD)=∠BDC(=∠BDE)=36°
なので、三角形BCDはBC=CDである二等辺三角形であることが分かります。

さらに、三角形の内角の和より
∠BCD=180°-(∠CBD+∠BDC)=180°-(36°+36°)=108°
が求まります。

続いて、三角形ACDについて考えます。

辺ABは直線なので、
∠ACD+∠BCD=180°
が成り立ちます。

上で∠BCD=108°だったので、
∠ACD=180°-∠BCD=180°-108°=72°
となります。

まだ∠ADCが分かっていませんが、∠ACD=72°∠CAD(=∠BAD)=36°、そして三角形の内角の和から
∠ADC=180°-(∠ACD+∠CAD)=180°-(72°+36°)=72°
です。

これより∠ACD=∠ADC=72°なので、三角形ACDはAC=ADの二等辺三角形であることが分かりました。

ここまでをまとめると、下図のようになります。
懐かしの?黄金分割

(疲れ始めてきたかもしれませんが、まだまだ続くよ~)

さて、ここで正五角形の一辺の長さを1とすると、AC=ADより
AC=AD=1
となります。

今回は「点Cが本当に辺ABを黄金分割しているのか?」を明らかにしようとしています。
このためには、AB:AC=AC:BCが成立していることを示せば良いわけです。

AB:AC=AC:BCであるとき、
懐かしの?黄金分割
が成立します。

先ほど決めたAC=AD=1をこの懐かしの?黄金分割に代入すると、
懐かしの?黄金分割
となります。

また、BC=AB-ACなので、AC=1より
BC=AB-1
です。

これを懐かしの?黄金分割に代入してやると、
懐かしの?黄金分割
となり、この式が成り立っていることを示せば、「点Cは本当に辺ABを黄金分割している!」と言えるわけです。

これを示すためには、辺ABの長さを求める必要がありそうです。
なので、これより辺ABについて考えていきたいと思います。

点Dから辺ABに向かって垂線を降ろし、交わった点を点Fとします。
懐かしの?黄金分割

このとき、直角三角形の性質から、
AF=AD cos(36°)
が成り立ちます。

ここで、AD=1だったので、
AF=cos(36°)
となります。

同様にして、辺BFについても
BF=cos(36°)
と言えます。

つまり、
AB=AF+BF=cos(36°)+cos(36°)=2cos(36°)
となるわけです。

はて、ここで困ったぞと。
cos(36°)って、いったいどんな値になるの?

高校までの知識では、
・cos(0°)=1
・cos(30°)=√3/2
・cos(45°)=1/√2(=√2/2)
・cos(60°)=1/2
・cos(90°)=0

くらいしか分からん・・・。

しばらく悩んだ後、
懐かしの?黄金分割
なので、5倍角の公式を求めてみるかと考えるに至りました。

5倍角の公式とは、「sin5θやcos5θをsinθやcosθで表現すると〇〇になる」というものです。

ちなみに2倍角の公式は、
懐かしの?黄金分割
懐かしの?黄金分割
となります。

なんだか、見たことある気がしませんか?

5倍角の公式を求めるためには、三角関数の加法定理である
懐かしの?黄金分割
懐かしの?黄金分割
を用います。

こいつらを使ってゴニョゴニョやると、
懐かしの?黄金分割
を得ることができます。

次に考えなければならないのは、「求めたこの式に何を入れてやると良いか?」ということです。

試しにθ=36°としてみると、5θ=36°×5=180°なので、
懐かしの?黄金分割
となります。(cos(180°)=-1より)

うーん、これはなんだか微妙・・・。

やっぱり、cos5θ=0となってくれた方が、嬉しい気がする。
そんなわけで、すでに知っているcos(90°)=0を活かし、5θ=90°、つまりθ=18°とすることに。

θ=18°5倍角の公式に代入すると、
懐かしの?黄金分割
が得られます。

ここからちょっと込み入った話になるのですが、
・余弦関数 cos x は、0 < x < π[←パイ]において狭義単調減少関数である(0 < x < π[←パイ]では、xが大きいほどcos xが小さくなる)こと
・0° < 18° < 90°であること

の2点から、
0 < cos(18°) < 1
を導くことができます。

これより、cos(18°)≠0なので、先ほど出てきた懐かしの?黄金分割の両辺をcos(18°)で割っても問題ないと言えます。

両辺をcos(18°)で割ると、
懐かしの?黄金分割
です。

(なんとなく、もうちょっとで解けそうな気がする!)

得られた式をじーっと見ていると、懐かしの?黄金分割とすれば
懐かしの?黄金分割
となることに気が付きました。

これは、懐かしの?黄金分割の形をしているため、解の公式である
懐かしの?黄金分割
を用いて解くことができます。

もっとよくよく見ると、懐かしの?黄金分割となっているので、さらに簡単な
懐かしの?黄金分割
を適用可能です。

この公式に当てはめると、a=16b=-10c=5から
懐かしの?黄金分割
とすることができます。

よって、
懐かしの?黄金分割
となります。

ここで、0° < 18° < 30° < 90°のため、
0(=cos(90°)) < cos(30°) < cos(18°) < 1(=cos(0°))
であると言えます。

前述の通り、
0 < x < π[←パイ]ではxが大きいほどcos xが小さくなる
からです。

これをそれぞれ2乗すると、
懐かしの?黄金分割
となります。

より具体的な値を計算すると、
懐かしの?黄金分割
です。

懐かしの?黄金分割について、プラスの場合とマイナスの場合の値を求めると
懐かしの?黄金分割
懐かしの?黄金分割
という結果が得られます。

2つのうち、懐かしの?黄金分割の条件に当てはまるのはプラスのものだけなので、
懐かしの?黄金分割
となります。

こうしてやっと、懐かしの?黄金分割について値を得ることができました。
しかし、欲しいのは2cos(36°)の値です。

ここで、2倍角の公式である
懐かしの?黄金分割
を思い出します。

θ=18°としてやれば、左辺はcos(36°)

早速代入してやると、
懐かしの?黄金分割
となりました。(懐かしの?黄金分割を利用)

よって、
懐かしの?黄金分割
となるわけです。

これより、やっと
懐かしの?黄金分割
と、辺ABの長さを求めることができました。

さて、そろそろ最後の仕上げです。

ついに懐かしの?黄金分割を示します。
右辺を計算していって、左辺と等しくなればOKです。

計算は以下の通り。
懐かしの?黄金分割

以上から、
懐かしの?黄金分割
となることが分かりました。

これにより、「点Cは辺ABを黄金分割している」ということが証明できました。
やった!

ああ、長かった。
お疲れ様でした。

もっとラクな解き方思い付いたら、ぜひ教えてください。

あと、どっか間違ってたら、ご指摘お願いします。
まあ、わざわざ確かめる人もおらんやろうけどw

タグ :数学黄金比

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Posted by wasese at 23:21│Comments(2)独り言
この記事へのコメント
最初の方で色々と角度求めたとき、
その時点で、三角形DABと三角形CBDが相似って分る
(3つの角度が同じだから)。

ってことは、対応する辺の比は等しいから、
AB:AD=BD:BC ・・・・ア


一方で、三角形ACDは二等辺三角形だから、
AD=AC ・・・・イ

さらに、正五角形だから、
BD=AD ・・・・ウ


アイウの三点から、
AB:AC=AC:BC
Posted by 123 at 2010年03月30日 23:52
>123さん

確かに相似を使うと、あっという間ですね。
ありがとうございます。
Posted by s_wases_wase at 2010年03月31日 00:05
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